毒舌王子に囚われました


グラスに唇をあて、ひんやりとした液体を口にふくむ。これでもかというくらい氷が入っていてキンキンに冷えている。

「紅茶だ。……すっごく飲みやすいです」

「そうだろうな」

「これなら、何杯でもいけそうです」

ぐいぐいっと3分の1くらい飲んだ。このあとなにして遊ぼうかな。

わくわくしてきた、そのとき。

秋瀬さんが。

……悪魔のように、微笑んだではないですか。

「え、ど、どうしたんですか?」

「ラム、テキーラ」

ラム? テキーラ?

お酒の名前……?

「ジン、ウォッカ」

……名探偵コ●ンの悪役にいたなぁ。

「全てアルコール度数40以上」

「……40?」

40って? どのくらいだっけ。

ビールで何パーセントなのかな。

「良い飲みっぷりだよ」

「……っ、もしかして、今日飲んだ中で1番、強い感じですか?」

「もしかしなくても」

「でも、そのお酒を、なにかで割ってるんですよね?」

「コーラやガムシロでごまかしてるが」秋瀬さんが、距離をつめてくる。

「〝レディーキラー〟なんて呼ばれてる」

……お、おんな、殺し? 的な?

「お前、殺されたいの?」



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