毒舌王子に囚われました
「……ひゃっ!」
秋瀬さんが、服の上からブラのホックを外してしまう。手慣れたものだ。
「遊ぼうか」
「なに、するんですか……?」
「お前は今、猛烈に酔っている」
「……はい」
その通りです。
「判断力は落ちているが、かろうじて意識はある」
「そうです……けど?」
なんでそんなに嬉しそうなんですか秋瀬さん。
「いつもより刺激的なことしてやるよ。目が覚めて酒がぬけたあとも、それをハッキリと覚えているといい」
さ、最低だこの人……!!
酔ってるのをいいことに、恥ずかしいことさせる気だ!!
酔いが覚めたときに絶望させる気だ!!
「な、なに、を……するつもりですか?」
「それはこれからの楽しみってことで」
「えええっ」
わたしを膝からおろし、せっせとテーブルを片付ける秋瀬さん。抜かりない。
ここで、いつもならムードもクソもないと思う気持ちがあるけれど(まぁ、そんなとこもなぜか好きだと思えるあたり惚れた欲目なのかもしれない)、今回ばかりはなにをされるかわからないので、どうぞゆっくり片付けましょうと願わずにはいられない。
「わ、わたしも手伝いま……」立ち上がった瞬間、目の前がぐらついた。
そのまま、床に顔面から……
倒れ、ませんでした。
「……お前は、動かなくて良い」
秋瀬さんの胸の中に、すっぽりおさまる。