毒舌王子に囚われました
「すみま、せん」
何度触れても、そのたびにドキドキさせられてしまう。
わたしは、何年たっても、こうして秋瀬さんにドキドキし続けてしまうんじゃないかな。
「ゆっくりしてろ。飲み過ぎて辛いだろ」
ニッコリ微笑んでくれる。
「……ありがとうございます」
嗚呼、王子様。
「そのかわり、片付けが終わったら動いてもらうからな?」
……はい?
「体力温存してろ」
「…………」
「歯は磨けよ?」
「はい」
小さく返事するわたしを見ると、フッと満足げに笑って腕まくりする。
なんだか今夜は、一段と、
忘れられない夜に……なりそうです。
Fin.