毒舌王子に囚われました



清潔感漂う空間の、ふかふかの真っ白なベッドの上で。

うんと背伸びしてみたのだけれど、なにかにぶつかった。


言わずもがな……一縷さんだ。


結婚して、半年。

もう……半年たつのか。


綺麗な顔して眠る一縷さんを見て、今日もまたこうして、当たり前のように隣で眠ってくれていること。

この人と出逢わせてくれたこと。

生まれてきたこと。生まれてきてくれたこと。

……なんだか、この世の全てに感謝したい気持ちになった。


当たり前とはいうものの、その当たり前を当たり前として片付けたくないというか。

上手くは説明できないが。

とにかく、目が覚めて隣に愛する人がいるのはこんなにも幸せなんだなって、ただただ実感させられる。

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