毒舌王子に囚われました


「彼氏いない歴=年齢だもんね?」

莉菜がニヤっと笑ってこっちを見る。

「な、なんでそれ……!」

いや、ほんとは、もう……卒業しちゃいましたが。

「土生ちゃんは普段ガチガチなのに、酔ったらガード緩くなるよねぇ」

「そうなのか?」

「崇司は、飲み会のとき席離れてたもんね。知らないかぁ」

それ、本人のわたしも知らなかった。

気をつけないとなぁ……酔ってそんなことをベラベラ話すなんて危険すぎる。

「へぇ。俺はいいと思うけどな、土生。同級生にいたら……からかいたくなる」

か、からかいたくなるの!?

「わかるー! 土生ちゃんは、弄られキャラだよねぇ」

よくわからないところで意気投合する2人。

自分では自分のこと、特にいじり甲斐のある人間と思わない。

でも、秋瀬さんも言っていたっけ。

ドMとかなんとか……。





「土生ちゃんは、彼氏にするならどんな人がいいの?」

目の前の、冷やしうどんそっちのけで質問してくる莉菜。

わたしが莉菜なら、わたしの恋愛話よりずっと、冷やしうどんにのっかっているナスやカボチャの天ぷらの方が気になるのに。

「それ、俺も気になる」
佐久間くんは黙ってカレーライス食べて下さい。

彼氏にするならっていわれても、秋瀬さんのことを好きになったわたしは、秋瀬さんしか頭に浮かばないのだ。

「ねぇねぇ、教えてよ。知り合いにいたら、紹介してあげるから」

「……優しいだけじゃない人、かな」

「なにそれー?」

「いや、なんていうか、優しい人だと人として尊敬するんだけど恋にならないというか……。ちょっとクセのある人が気になる……かも」

秋瀬さんは、クセがありすぎるけれども。

「なら、俺とか」

佐久間くんがニコニコしている。

「崇司はチャラすぎるからねぇ……やめといた方がいいよ、土生ちゃん」

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