青野君の犬になりたい
青野君は間違いなく姫子さんに恋をしていると、私は悟った。
ならば複数の彼女を整理して、この姫子さんときっちり愛を育むべきだ。
私と青野君はまだちゃんとデートもしていないのに、何も始まっていないのにお別れか。
でも青野君には本気の恋愛が必要だ。
私と青野君はまた普通の同僚に戻る。それでいいと覚悟を決める。
青野君に教えてあげなくては。
あなたは恋をしているのだと。それどころか、姫子さんを愛しているのだと。
だけど、いったい『姫子』って誰? 
3人の彼女のうちの誰かなら問題はない。
他の人たちとはすっぱり別れて姫子さんとの恋路を突き進んでいけばいいだけだ。

「ねえ、姫子さんて――」と、尋ねようとすると
「もう13歳なんだ」と、青野君がつぶやくような小さな声で言う。まるで独り言のように。
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