冷徹ドクター 秘密の独占愛


「痛みのあったところの腫れも引きましたし、ひと通りクリーニングも終了したので、今日はもう一度歯茎の検査をしていきます。問題なければ今日で一旦終了でいいかと思います」


口腔内チェックをした律己先生は「では、衛生士に代わります」と私に席を譲る。


「失礼します。では、代わって歯茎の検査、していきますね」


歯石除去とブラッシング指導の甲斐あってか、 津田さんの口腔内は初診時とは比べ物にならないくらい健康な状態へと回復していた。

初診時には歯周検査をして出血していた歯茎も、今日の検査時にはほとんど出血も見られず、歯茎の腫れも引いている。

初めから処置に携わってきて、こんなに目覚ましい回復を目の当たりにできたことに、衛生士としてまた新たな喜びを実感していた。


「初めに診させてもらった時に比べて、全体的にすごくいい状態になってますね。この状態をなるべく維持できるように、前回お話させていただきましたブラッシング方法を続けてみてください」


律己先生のOKも出て、今日で治療は一旦終了となった。

三ヶ月後に定期検診に訪れてもらいたい旨を話し、先生がエプロンを外す。

会釈をしてチェアを後にする津田さんに、「ありがとうございました。お大事にしてください」と、花束のお礼も含めて頭を下げた。


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