冷徹ドクター 秘密の独占愛
洗面室に入ってきた律己先生は、鏡に向いている私の体を肩を掴んで自分へと向かい合わせる。
「え、え」と戸惑った反応をモロ見せている私に構わず「はい、開けて」といつも患者さんに声掛けするみたいに言う。
今更かもしれないけど、お付き合いするような関係になっても、改まって口の中を見られるというのは何だか小っ恥ずかしい。
「あの……」
「ほら、見ないとわからない」
「そう、ですけど……何か恥ずかしいというか」
私の躊躇う理由を聞いた律己先生は何かおかしいのかフッと笑う。
「何を今更。もっと恥ずかしい部分まで見てるんだから、口腔内なんて何ともないだろ」
「なっ……!」
ななっ、何てことを……!