彼女の恋愛偏差値


「さ~、みんな歌ってくださいよー!」

そう言いながら、マイクや歌本、リモコンなどを適当にバラし、喫煙者の前に灰皿をいくつか配置する。

「みんな注文とりまーす」

そして、一通りみんなのオーダーを確認してフロントに注文した。

トップバッターは演歌が得意な先輩。
おはこの演歌曲が流れ、立ち上がる。

「よっ!サイコー!!」

声を掛けると、みんなもノッてくる。

いつもこんなカンジの私。

ヘタではないけれど、人前でうたうのが苦手な私。

すすめられると困るので、いつも盛り上げ役に徹する。

タンバリン・手拍子・掛け声。
気づけば、私はサークル内の宴会部長。


サークル内に私の学年は女子がいないから、本当だったらチヤホヤされるんだろうけど。
いかんせん昔っからそんなことが苦手で、気づけば男にしか扱われない。

まー、いいんだけどさ。



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