西城家の花




美桜は恐れているのだ





『兄妹』と言われた日からずっと、美桜はもしかしたら自分が大志に釣り合う、相応しい女性ではないのかもしれないということに





大志は素敵な男性だ





男らしい逞しい筋肉は言わずもがな、誰よりも温かみのある心の持ち主で、人からの信頼も厚く、人望もある





それに比べ、美桜は子供っぽくて怒りやすく、心も体もいつまでも成長しない幼いまま





いつの日か大志に見捨てられてしまう…ということは微塵も考えてはいないが、美桜のせいで大志の評価が下がってしまうのはいやだ





西城家は流水家よりも遥かに長く続く由緒正しき武家の家系であり、昔名のある武将に功績を讃えられて頂いた名だと聞いたことがある





とにかく、西城の名を継ぐということだけでも大変名誉なことで、大志は誰が見てもその名に恥じない人なのだが、もし未熟者である美桜を嫁に娶ることが大志と西城の名を貶めることになるとしたら…





今さら大志を諦めることなんて世界が滅んでも無理なので、美桜が大志に相応しい女性になろうと頑張っているのだが、何かおかしいのだ





いつもなら大志のためだと考えているだけで、それだけでどんなに辛いことでも耐えていられるのだが、どうしてか今だけはそんな気分になれない





それどころか、大好きな大志が隣にいるのに、楽しみにしてた花火大会なのに、美桜は心から楽しいと思えないのだ





これも全て、美桜が未熟であるから、心を鍛錬せねばならないとわかっているのだが、でも…




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