召喚魔法失敗しました!?
「……私の母はある国の巫女だった。神聖な地を清める存在。一生その地で儀式を行い、その身が滅びるまで力を注ぎ続けなきゃいけなかった」
一つ一つ絡まった糸を解くように、話しを進める。
こうやって語れるのは私の記憶じゃなくて……
――母の記憶。
そして私の中にいるもう一人が何かを語り出す。
「毎日祈祷を続けて、他人との関わりは一切禁じられていた。そんなアタシは出会ってはいけない人に出会ってしまった。優しさでアタシを包み、傍にいてくれたあの人に」
悲しいわけでもないのに、私の中のもう一人が悲しみに包まれ……止まりかけた涙がまた溢れ出す。
「アタシは恋をしてしまった、あの人に。でもそれが災いをもたらすなんて知らなかった」
『災い……』
「ええ……この子を産み落としてしまった」
涙ぐむのを必死に堪える。