貴方が手をつないでくれるなら
「あ゙ー、もう、煩い。そんな事言ったら、彼女も嘘をついてる事になるだろうが。俺とグルって事になる。そんな人じゃないだろ?
抜け駆けはしないって言ってあっただろ?信じられないなら勝手にしろ。あー、災難だ災難。おでこ叩かれて起こされて、嫌な事まで言われて。あー、やだねー疑心暗鬼な男は。嫉妬した男なんて、小さい小さい。変態で、下品で最低で、口も態度も悪くて、そんな奴の事、根はいい奴なんで許してやってくださいって言って、頭を下げた俺は、嘘つきになっちまったなぁ」
…。
「俺、まだ寝るからな、お前が見てろよ」
…。
「…町田、お前」
「何だよ、も゙う」
「頭まで下げてくれたのか?」
…。
「ああ…。何も言うなってお前は言ったけど、お前の事、誤解はされたくないからな。何の苦も無く下げてたよ」
「…町田ぁお前って奴は。って言うと思ったか。お前今、しめしめって思ってるだろうが。…まあ、頭、下げてくれた事は礼を言うよ。眞壁さんの、知りたいか?」
「いや、俺は別に」
「いいのか?」
「ああ、別に必要ないだろ?」
…必要無いって、何だ。
「何か企んでるのか?」
「企む?何も?」
眞壁さんが何か思うところがあるなら、連絡先を知らされた俺から何故連絡が無いのでしょうって、柏木に言って来るだろ?
そうなったら、そういう事だし、何も言って来なければ、俺には何も感情は無いって事だ。勿論、柏木の事が知りたくて、俺に連絡したいと思ったのかも知れないって事もあるからな。
「あ゙ー、好きになったんなら、好きになったって本人に言えよ。会って無くても、取り敢えず、許して貰ってるんだから」
「何だよ、急に」
「お前が、高が気遣うメールの内容で浮き沈みしてるからだろうが。…フ。もう、とうに好きになってんだろ?」
「は?」
「違うとは言わせないぞ?…どうせなら、また、…いや、なんでも無い。寝る。星が現れたら起こせよ?お前は寝るなよ?いいな?」
何だよ…。謝るのが先だ。好きも何も…相手にされるか解んないだろうが。
「解ってるよ。寝ろ、馬鹿」