貴方が手をつないでくれるなら
「愛しの悠志く~ん。もっと知った方がいいかもよ?」
「…何をだよ」
「眞壁さんの事に決まってるだろ?お前、後はつけなかったのか?」
「は?向こうは車だ。容疑者じゃないんだから、そんな事するかよ。…嫌われるわ」
「バレたらな」
「何だよ…お前、何か企んでる訳じゃないよな」
「別に」
「お前の、別に、は、企んでる証拠だ」
「偶然だったらいいんだろ、偶然だったら」
「だから何するつもりだ」
「解ったら教える~」
「俺とお前の仲なのに?」
「…お前、最近、…とうとうその気になってくれたのか…。まぁ、眞壁さんが駄目だったら、もう俺しかお前を理解出来る奴は居ないからな…。俺も真剣に考えてみるよ。
……って、早く突っ込めよ、止めろよ馬鹿」
「はぁ…地取り、行くぞ」
「いやー、冷たいー。待って。置いてっちゃヤ~。柏木く~ん」
…。
「おい、誰かあいつらを何とかしろ…全く。毎朝毎朝、…はぁ」
「まあ、言ってもあいつら、検挙率、ナンバーワンツーなんですから。放っておきましょう。あれで精神のバランスを取ってるようなもんですから」
「…はぁ、その内、本当に二人で暮らし始めたりしてな…」
「それもいいんじゃないですか?どっちも彼女居ないみたいですし」
「…ふぅ。お前らも捜査だ捜査。早く行け」
「はい」
…コンビを解消してみるか。どうも息が合い過ぎて無理をする嫌いがある。
二人で暴走されても困るんだ。命あっての捜査だ。
俺っていい課長かも…。あー、嫁さんでも世話するかな…。
…大きなお世話か。
「こんにちは、眞壁さん」
「あ…町田さん」
「帰るところかな?」
「はい」
「また、お兄さんから急な呼び出し?」
「え?いいえ、今日は違います。普通に、そろそろ時間なので帰るところです」
「そうなんだ」
立ち上がって歩き始めた。横に並んだ。
「こっちなの?」
「はい、この先を少し行った角にある雑貨屋なんです」
「そう。じゃあ、今度プレゼントでも買いに行こうかな~。あ、肝心な彼女が居ないんだった、ハハハ」
「クスクス。彼女さんにプレゼントするような物以外もありますから、どうぞ来てください。セルフの飲み物コーナーもあるので」
「では、その内、という事で。じゃあ失礼しますね」
「はい、さようなら」
通りを過ぎた角の雑貨屋さんね…。頂きましたよ。