一之瀬さんちの家政婦君

飛鳥はパーティーに来ていく服選びにとても時間が掛かった。

普通に選ぶだけでも大変なのに、男装で洋服選びをしなければならないのだ。

会場は喫茶店なのだからあまりにかしこまった服は逆に浮いてしまう。

だからといって、普段着のパーカーとジーンズで行くわけにもいかない。

悩んだ挙句、シャツにセーター、チェックのパンツ、コートというありきたりな格好になってしまった。

全面鏡に映った自分の姿を見て小さいため息が零れてしまう。

偶然、鏡に映っていた掛け時計の時刻にハッとした。

「ヤバい!遅れちゃう……」

出掛ける時間を過ぎてしまっている事に気付くとバタバタと身支度を整えていく。

飛鳥はとにかく鞄と花束を持って慌しくマンションを出ていった。
< 67 / 151 >

この作品をシェア

pagetop