一之瀬さんちの家政婦君

快気祝いもお開きになる時間。

櫂人と飛鳥は最後の招待客を見送った。

今夜の主役だったマスターも二階にある自宅へ一足先に戻った。

珈琲店には櫂人と飛鳥の二人きり。

食器を片付けたり、余った食事をおさめたり、店の掃除をしたり、一人ではとても大変な作業を二人でせっせと済ませていく。

「飛鳥ちゃん、マジありがとう。後は俺一人で大丈夫だからさ」

「そうですか。じゃあ、僕もこの辺で……」

飛鳥は服が汚れないように借りていたエプロンを外し、綺麗にたたんでテーブルに置く。

コートを着て、自分の鞄を持って帰り支度を整えた。

「近くまで送っていく。夜道は暗いから」

櫂人もエプロンを外し、ファー付きのダウンを着る。

もう夜も深い。

昼間の買い物の時とは違って、飛鳥は素直に「ありがとうございます」と受け入れた。
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