日向くんを本気にさせるには。



「雫ちゃんはわたしの思惑に見事はまっちゃったわけなんだぁ。」

「は、はぁ?」


思惑なんて言葉使う海ちゃんはどこまでも小悪魔で

そんでもってなかなかの腹黒さが見える



「あんなのしてないに決まってるじゃん?あれもわたしの作戦の一部みたいなものだったもーん。」


「な、なにそれ!」


あれが個人的に一番打撃がひどかったんだけど!


「雫ちゃんの見てた角度的にキスしてるように見えるかなぁってね?だいせいこーう♪」


この子いい子なのか悪い子なのか
よくわかんなくなってきたよこれ…


つまり、あの日、海ちゃんと日向くんは何にもなかったわけで


ネガティヴなほうに勝手に突っ走って
散々悩んで泣いて苦しんだ結末がまさかのこれ……



「あれ、怒ってる?」


怒りたくもなるよそりゃ…


だけど今は怒るよりも日向くんと海ちゃんの間で何もなかったことにホッとしてる自分がいるのも事実

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