日向くんを本気にさせるには。



って、ちょっとまった!!!

わたし肝心なこと忘れてた!!


「う、海ちゃん!!」

「な、なぁに?勢いよすぎ。」


ガバッと海ちゃんの華奢な肩を掴んだ



「き、キス……」

「キス?」


あの日、忘れもしない放課後の保健室でふたりでキスしてたこと

あれどう説明してくれるの?


「ま、前に海ちゃんがわたしを保健室に呼び出した時…」


「そんなことあったっけ?」


「あったよ!」

とぼけても無駄だよ、人の記憶ってやつは嫌なことはよーく覚えてるんだよ



「なーんてね、覚えてるよ?」

「なっ、」


余裕そうに人をバカにしてくるしゃべり方は健在

この小悪魔さんには敵う気がしない

振り回されてばっかりだ



「キスしてるように見えちゃったんだ?」

「は、はい…?」


あ、あれ…?その言い方だとしてなかったような…



「あれね、ただわたしが月夜に抱きついただけだもーん。」

「は、はぁ!?」


いやいや、抱きついてたにしては
かなり近距離じゃなかった?

普通に見たらキスしてるようにしか見えなかったって

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