嘘は取り消せない
真っ暗な病室で桜と秋月、俺が残る
するとどこからか聞こえてくる足音

「~〜〜〜♪」

御機嫌な鼻歌



息を潜める

近づいてくる影

もしもの時の対応
ちゃんと準備してある

そして、俺達“4人”は待ち構えた

_______________ガララッ


「………っ! なんで、ねぇ、嘘、
何でここにいるのっ!!!」
病室にいた人間に驚く
だけど、俺たちに驚いてるんじゃない
ほかの二人に驚いてるんだ


「何をやってるんだい、菜奈穂」
「もう面会の時間は終わりなのよ?
貴方は知ってるでしょ?」



「ねぇ、なんでよ、なんで、」

「秋月君、九ノ瀬君、なんでよ、なんで、





お父さん達がここにいるのよっ!!!!」





「お前が来ると思ったから来てもらった」
秋月の予想
それを信じて秋月について行き、俺は
立花先生とその奥さん、立花さんの母親に
声をかけてきてもらった
「菜奈穂? その手に持ってるナイフは何?」
「え、あ、これは………」
あらかさまに動揺する立花さん
手に持っているナイフを隠そうとする



「立花さんが、桜を殺そうとしたのに俺達は
気づいたんだ」
「だけど、最後まで両親は信じてたよ」
そう、警察が来た日
立花さんに言われたことを全て話した
でも、最後までやってないと信じた

「嘘よね、菜奈穂、あれだけ伊奈帆が
入院してから、人を助けるって、」
伊奈帆………
俺のせいで植物状態になった立花さんの妹

この話が終わったら立花さんに
伝えなくちゃいけないことがある

だけど今はこちらの話に真剣になろう



< 95 / 121 >

この作品をシェア

pagetop