ドクターと恋を始めました。【完】
「毎日向こうで腕磨いてたんだ〜。俺、本当に愁のこと尊敬するわ。」
「…それはどうも。」
怜於も向こうに行く予定だったけど、“やっぱり、ホームシックになるからやめとく” とか言って確か断っていた。
「明日オペ終わり次第、琴音ちゃん迎えに行ったら?
…結構カルテ見る限りやばいよね。」
「…かなりな。」
琴音のカルテを見る限り研修医でも誰でもわかるほどの危機だ。
「それに、不整脈もあるし絶対に琴音ちゃんしんどいと思うよ。
このままだったら ────。」
そう、わかってることだ。
オペをしない限り琴音の寿命がだんだん縮まってることくらい。
「オペをしなかったら、琴音ちゃんは確実に天国行き決定だよ?
…それでも本人拒む理由何なの?」
「…勘だけど、
12年前の責任感ってやつだと思う。」
小さい頃から1人ですべて抱えてきて、
1人で全ての責任を背負い、生きてきた。
琴音は何も悪くないのに、
「…責任感ね。でもあの事故って運転手が悪いんじゃないの?なのに、親戚からしたら生きてる方に責任を擦り付けるよね。」