ドクターと恋を始めました。【完】
愁side




「…やられた。」


「あ〜あ、抜け殻だね。」



俺は、何故か近くでたまたま会った内科研修医の怜於と琴音の病室に来ていた。



「ご丁寧に、書き置きまでしているよ。
ハハハッ、“帰ります”だってさぁ〜。」



病室の前に看護師を付けとくべきだった。
今が 1番 心が荒れるときってわかってたのに。



「琴音ちゃんって律儀だね〜。でもまぁ、どうせ明日にでも愁は琴音ちゃんのお迎え行くんでしょー?」


「当たり前だろ。…カルテ見る限り、検査結果が非常に悪い。」



何でそんなに死にたいんだよ。
あいつに俺の叫びは届かなかった。



「てか、俺って今日当直じゃん。」


「あっそ…、俺、明日朝からアッぺあるから一旦家に帰るわ。」


「愁も大変だね〜、」



アッぺは虫垂炎のこと。

何故、心臓外科の俺なのかと思うけど親父に言われたから仕方ない。



「アッぺのオペとか、何年ぶりだよ。」


「向こうでやったことあるんだ?」


「毎日が手術みたいな感じだ。」



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