ミステリアスなユージーン
いちいちワケわかんないけど、佐渡君がカッコイイのは確かで、たちまち店内の女子達が佐渡君の存在に気付きこちらを頻繁に見だした。
……私、もしかして恋人だとか思われてるんだろうか。
……優越感に浸るべきか、劣等感に落ち込む場面なのか、果たしてどっちなんだろう。
当の本人は物心ついた頃から女子に見つめられているのか、絡み付く視線も日常化しているらしく動じる様子はない。
「あなたは、瀬戸先生の作品が好きなのかご本人が好きなのかどっちですか」
「はー?どっちも好きよ。先生、イケメンだし」
「顔がよかったら何でもいいんですか?全くあなたは新庄課長といい安藤君といい先程の瀬戸カナデ先生といい、」
その時偶然、本当に偶然、窓際に座る私の視界に課長が入った。
佐渡君は窓に背を向けて気づいておらず、私だけが課長を見つけたんだけど……その課長が何だか変だった。
通りすぎようとしている課長の横顔は疲れきっていて、痩せたわけではないだろうに酷く頬がこけている。
昨日、施工現場に来てジュース代をくれたときは……こんなだったっけ?
いや、こんなに酷い顔なら、安藤君が何か言ってくる筈だ。
そういや沙織の話じゃ、新田麗亜さんと住んでいたマンションから出ていって会社には辞表を出したって……。
……私、もしかして恋人だとか思われてるんだろうか。
……優越感に浸るべきか、劣等感に落ち込む場面なのか、果たしてどっちなんだろう。
当の本人は物心ついた頃から女子に見つめられているのか、絡み付く視線も日常化しているらしく動じる様子はない。
「あなたは、瀬戸先生の作品が好きなのかご本人が好きなのかどっちですか」
「はー?どっちも好きよ。先生、イケメンだし」
「顔がよかったら何でもいいんですか?全くあなたは新庄課長といい安藤君といい先程の瀬戸カナデ先生といい、」
その時偶然、本当に偶然、窓際に座る私の視界に課長が入った。
佐渡君は窓に背を向けて気づいておらず、私だけが課長を見つけたんだけど……その課長が何だか変だった。
通りすぎようとしている課長の横顔は疲れきっていて、痩せたわけではないだろうに酷く頬がこけている。
昨日、施工現場に来てジュース代をくれたときは……こんなだったっけ?
いや、こんなに酷い顔なら、安藤君が何か言ってくる筈だ。
そういや沙織の話じゃ、新田麗亜さんと住んでいたマンションから出ていって会社には辞表を出したって……。