ミステリアスなユージーン
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「中山さんと西野さんの案件のスキンケアショップだけど、俺午後から空きますからチェックしに行ってきます」

私は仙道くんのこの言葉に救われる思いで彼を振り仰いだ。

「マジ?!助かる!実は呉服桜寿に家具の最終確認に行かなきゃならなくて。大女将のオッケイもらったらすぐに発注して、業者と現場に入るから。あ、関さんによろしく言っておいてね!」

「了解。で、呉服桜寿の件、施工スタート出来そうならすぐ電話ください。俺、直で現場いきます」

私は仙道くんに頷いた後、

「安藤くん。この間、営業に頼んでたインテリアの本あったじゃん?あれ借りたいんだけど。骨董品店のリニューアルに茶箪笥をチョイスしてたんだけど、オーナーがもう一回り小さいのをふたつ並べたいらしくて」

私がオフィスの端のコピー機の前にいた安藤くんに声をかけると、彼はニコッと笑った。

「同じ物の一回り小さいサイズなら、僕が代わりに発注しておきます」

「ありがと!お願いします!」

その時、課長がオフィスへと帰ってきた。

「あ、課長。私今から呉服桜寿に行ってきます」

「おう。俺も行こうか?」

「いえ。大女将のオッケイもらったら、工房に顔出さなきゃならないんです。職人を迎えに行って現場案内しなきゃならないので」
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