ミステリアスなユージーン
頭の中で、明日自分がすべき事を順序立ててシュミレーションをすると安心する。

うん、大丈夫。

その時、誰かの気配がした。

それからガチャリと閉まるドア。

振り向こうとした時にはもう遅かった。

「悪い人ですね、あなたは。俺を拒んだクセに……今度は彼に抱かれようとしてるんですか」

「っ!」

低くて艶やかな声が耳元で響いた。

佐渡君だ。

言葉のわりに、後ろから抱き締めた彼の腕は優しい。

フワリとしていて、温かくて。

それなのに、なんでそんな事言うの?

「前にも言いましたが、安藤君で満足できるんですか?」

……なんとまあ、ドツボにはまりきっているのだろう、私は。

私、ヨゴレ扱いよね、完全に。

好きな男からガツガツした軽い女だと思われちゃってるこの事実が、堪らなく悲しい。

なのに、大切なものを守るように私に回す腕が切ないし、正直全く訳がわからない。

「なに考えてるんですか?仕事だからですか?それとも、仕事に託つけて安藤君とどうにかなりたいんですか」

……好なのに……イラッとする……。
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