空と君とダイヤモンドと
「うん。でもこうしてちゃんと話すのは久しぶりだから」



塁くんは変わらない瞳であたしを見る。


やっぱりどうしてもこの人を忘れることなんてできなくて
やっぱりどうしてもこの人を見ると思い出してしまって
やっぱりどうしてもこの人を見ると好きという思いが溢れてしまう。



でも、それは塁くんにとっては迷惑なことでしかなくて。



「塁くんは、彼女と上手くいってる？」


「っ」



あたしの問いが予想外だったのか目を見開く。



「塁くん？」


「うん。変わらず仲いいよ」



自分の前髪をくしゃってかきあげる仕草に髪の毛が伸びたんだなぁと実感する。
たった２ヶ月だけど、塁くんとこうして話さないことはやっぱりあたしには長くて。



「そっか。よかったね」


「瑛梨奈ちゃんからそんなこと聞かれると思わなかったよ」


「ふふ。あたしはもう大丈夫ですから」



こうしてあたしは嘘をつく。

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