空と君とダイヤモンドと
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「はよ」



後ろから声をかけられる。



「…若松くん」



あたしは彼と並びたくなくて早歩きになる。



「待てって」



素早い若松くんに簡単に腕を捕まえられる。



「なに?」


「一緒にいこ。入学式」



にこっと笑う。


この笑顔の裏になにか企みがある気がしてならない。



「何企んでるのよ」


「人聞き悪いなー。お前」



クスクス笑ってる。



「本性を出せっつの」


「これが本性だけど?てか昨日のこと考えてくれた?」



また昨日見せた怪しい微笑みをする。



〝俺と付き合うならいいけど?〟



昨日の言葉を思い出して顔が赤くなる。



「遊びなくせにやめてよ!」


「誰が遊びだなんて言った?」



あたしに顔を近づけてくる。


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