空と君とダイヤモンドと

二年連続の悲しみ⚾︎

「瑛梨奈!」



クリスマス当日。
寮から出るとワカが笑顔で手を振ってる。



「ワカ!お待たせ」



ワカに駆け寄る。



「寒くなったよなー」



あたしの手を握って自分のポケットに入れる。
こういう恋人らしいことワカはしてくれるけど、慣れてないあたしはドキドキしてやばい。



「北海道に比べたら全然だけどねー」


「そりゃそうだろうなぁ。北海道の冬いってみたい」


「いつか行こうよ」


「…うん」



あたしの言葉に優しく笑う。
今日のワカはいつもに増して柔らかい雰囲気がする。



「俺と一緒に行ってくれるの?」


「ふふ。彼氏ですって紹介するのなんか照れるね」


「おー…それは俺も照れるな」



なんてどうでもいいことを話して
幸せだなって思う。

こういうふうに自然に笑って
自然に話して。
こういう毎日が本当に幸せだ。

この幸せがずっと続いたらって思う。

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