空と君とダイヤモンドと
「準備万端ー!」


「お前が違うのみたいって言ったってこれに無理やりするつもりだった」



そう言ってあたしの手にチケットを乗せた。



「行こ」



チケットを乗せられた手と反対側の手を握って歩き出す。



「ポップコーンとか食べる?」


「ううん。見ながら食べるってあまり」


「お!俺も!まわりでむしゃむしゃ食べられるのも気になる」


「わかるー!」



ワカと同じことがわかって嬉しくなる。
いつもワカと一緒にいると楽しい。
お互い結構好みが似てるから。

あの時ワカと付き合うって判断をした自分に
拍手を送りたい。



飲み物だけ買ってあたしたちは係の人にチケットを見せて目的のスクリーンのある6番シアターに向かう。



「俺、共感しちゃうかもなー」


「ふふ。あたしも」



今日見る映画はあらすじだけ見ると本当にあたしたちみたいなんだ。
だからずっとみたいなって思ってた。
でもなんだか恥ずかしくて言えなかった。
馬鹿にされそうで

でも、ワカも同じ気持ちでいてくれた。
それが嬉しかった。

< 197 / 533 >

この作品をシェア

pagetop