空と君とダイヤモンドと
「そういえばここのイルミネーションって…」



周りにはもちろんカップルがたくさん手を繋いで見上げていた。
あたしたちも同じように手を繋いで見上げている。



「ん?」



ふわっとした優しい笑みであたしを見る。



「カップルでキスすると…」



そこまで言いかけた時にワカの唇があたしの唇に触れる。



「…あ」



〝別れるってジンクスがあるからここではしないでおこうね〟

なんて言おうとしてたのに。
いう前にされてしまった。



「どした?」


「や、ジンクスがね…」



でも、まぁジンクスなんてどうでもいいよね。
2人の気持ちでどうにでもなるものだし。



「ジンクス?」



ワカは知らなかったみたいで首を傾げる。



「なんでもない。ワカとあたしは大丈夫だし」



ワカの手をぎゅっと握る。



「悪いジンクスなの?」


「うん。キスすると…」


「別れる?」



言われて見上げたワカの目からは優しい色が消えていた。

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