空と君とダイヤモンドと
「俺の地元の水族館連れていきたかったなー」


「大阪?」


「うん!めっちゃいいんだよー。瑛梨奈ちゃんに見せたかった」



悔しがる累くんがかわいく思える。



「いつか連れてってくださいね」


「うん。いつか必ず」



あたしたちは付き合ってるわけでもない。
将来の約束があるわけでもない。
でも、こう口にしてしまうのは、将来も一緒だと願ってるからに違わない。



「つーいた」



そんな話をしてるうちにすぐに水族館につく。
歩いてすぐのところに水族館があったのに今まで1度も来たことがなかったし、来ようともしてなかった。



「ここ初めてなんだね」


「はい。嬉しいです」


「行かなかったんだ。ワカとは」



少し嬉しそうに見える累くんの表情。



「行かなかったです」


「そっか。初めてだな」


「え?」


「ワカじゃなくて俺が先に連れてきたの」



その言葉はなんだかふわふわさせる言葉だった。

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