空と君とダイヤモンドと
「ほら、行くぞ」



ワカがあたしの腕を引っ張る。



「はいはい」



この前のような関係が心地よいと思う。
やっぱりワカと話せないのは寂しいんだ。



「今日ありがとな。今度なんか奢るよ」


「いいよー。このネックレスで充分」



首元についてるネックレスに触れる。



「瑛梨奈ちゃん?」



階段を降りようとした時に、したからそう呼ばれる。



「塁、くん」



下を見ると塁くんがこちらを見上げていた。



「ワカといたの?」



怪訝そうな顔になる塁くん。



「塁さん、俺が熱出して看病してもらってただけなんで!良基が勝手に呼んだんで!」



ワカが焦ったように話す。
自分のことでもないもないし、このまま塁くんとダメになったほうがワカ的にいいはずなのに。
こういうところがワカの好きなところだ。



「ふーん。瑛梨奈ちゃん借りていい?」


「あ、はいっ」



塁くんがあたしのところまで登ってくる。

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