空と君とダイヤモンドと
「これはワカがくれたよ…」


「今日誕生日だもんね。悔しいな」



塁くんの手に力が入る。
ネックレスが首にくい込んでくる。



「痛っ…痛いよ。塁くん…」


「ご、めん…」



塁くんがハッとしたように手を離す。



「どうしたの?塁くん」


「ワカと戻るつもりないってわかってるよ。ワカが瑛梨奈ちゃんのことを好きでも」


「…うん」



たしかにあたしはワカと戻るつもりは全くない。
塁くんとはじめるって決めてる。
だから、塁くんが言ってくれるのを待ってるんだ。
ワカのことも大好きだけど。



「なんにもないってわかってんのに嫉妬して。俺って馬鹿だな」


「塁くん…」


「なんで誕生日に一緒にいれるのがワカなんだよ。誕生日に風邪引くとかずりぃ」



自分の膝に顔を埋める。



「ごめんね。塁くんの気持ち考えなくて」


「瑛梨奈ちゃんは悪くないよ。はい、これ」



あたしの手に箱を乗せる。



「こっちつけて欲しい」



塁くんが開けた箱の中身もネックレスだった。



「…わかった」



ワカのネックレスを触りながらそう答える。
どっちかを選ばなきゃならないなら
塁くんを選ぶって決めてるんだ。

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