空と君とダイヤモンドと

優勝とキスと告白⚾︎

「ワカ行け！」



今日は春季リーグ最終戦。
ここでワカが抑えたら優勝というとこまでやってきた。


あたしはグラウンドをグルっと見渡す。



「ワカ…」



マウンドで投球練習をするワカ。



斜め後ろを見ればセカンドで構えている塁くん。



「塁、くん」



そのずーっと後ろを見れば



「良基」



1年の頃は試合に出れなくて悔しそうだった良基がライトを守っていた。



「ワカ…頼む…」



ベンチにいるメンバーはみんなワカを祈るように見る。
１年生のときここで悔し泣きをしたワカがまたここで自分に挑戦してる。
今度はワカが勝つ番だよ。


奇しくもバッターは１年生の時にホームランを打たれて勝ち越されたワカが高校の時からのライバルと言っていた相手。
なんという運命なんだろうか。



「カウントツースリー。フルカン」



スコアブックに記録を取りながらマウンドのワカを見る。

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