空と君とダイヤモンドと
「俺、社会人野球に進むよ」


「うん。よかった」



野球をやめるなんて。
そんな考えおれにはさらさらない。


それに、社会人に進めば…─



「二年でプロ、目指すよ」


「うん」



社会人野球に進んだ場合、二年やればドラフトの権利が得られる。



「再来年のこの日、俺は指名会見を受けてる」



そんな予言をしつつ、自分を奮起させる。



「あたしは再来年、なにしてるのかなぁー。でもテレビで会見見てるよ」


「瑛梨奈ちゃんは再来年は社会人1年目だよね」


「うん。たぶんね、北海道戻る」



内心そうだろうなって思ってた。
だから、俺は



「じゃあ、Fチームに入るしかないよな」



北海道のプロ野球球団。
そこに行けば、瑛梨奈ちゃんのちかくにいられるんだ。



「ほら、見て」



俺はスマホで今日のドラフト結果をみる。



「ん?」



俺のスマホに顔を近づける。

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