空と君とダイヤモンドと
「これ!FチームにE社から今年はいってんだよ」


「塁くん、E社だっけ?」


「うん。プロダメなら来いって。だからパイプあるんだよ」



1度でも俺がいくルートから選ばれてるなら。
可能性はある。



「じゃあ北海道で待ってるよ」


「うん、まぁ1年はE社は神奈川だしすぐ近いけどな」



これから俺がいくチームは、神奈川でも競合のチームで大学の先輩もいるから行くことに決めていたんだ。



「遠距離は再来年の1年間だけだぁ」



嬉しそうに笑う瑛梨奈ちゃんに沈んでいた気持ちも浮かんでくる。



「瑛梨奈ちゃん」


「ん?」


「ほんとに2年でプロになって安定したらちゃんと言うから。結婚しようって」


「…塁くん」



瑛梨奈ちゃんをぎゅっと抱きしめる。


俺にとって瑛梨奈ちゃん以上の女の子は存在しない。
俺はずるいからこういう言葉を言って、瑛梨奈ちゃんを縛るんだ。

わかってる。
瑛梨奈ちゃんの気持ちが俺だけに向いてる訳ではないことぐらい。
でも、俺はずるいからそれに気づかないフリをする。

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