空と君とダイヤモンドと
「ありがとう」



またニコッとあたしが大好きな笑顔で見てくれる。



「塁くんの目にいまは入ってないかもしれないけど…これからどんどんアピールしてくからねっ!」



あたしは自分の胸を叩く。



「ははっ!瑛梨奈ちゃんには叶わないな」


「だってまだ知られてもいないのに断られるなんておかしいもん!」


「まぁそうだね…。うん、そうだよね」



塁くんが自分に言い聞かせるように呟く。



「あたしは塁くんが好きだから。それだけは覚えといて!」



塁くんに向かって頭を下げる。



「ん。わかった」



塁くんもあたしをちゃんと見てくれる。


塁くんのこの瞳が好きだ。
大好きだ。



「結構外いたなー。寒くなるから入れよ。そろそろ」


「わ!30分も経ってる!」



スマホの時計を見てびっくりする。



「時間忘れてたな」


「じゃあ!また明日!」



あたしは塁くんにそう告げて、部屋の中に入る。



「やべーな。これ」



塁くんのそんな言葉は聞こえなかった。


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