空と君とダイヤモンドと
「わっ」



1人の選手が持っていたバッグがあたしの肩に当たって思わず声を出してしまう。



「すいません」



ぶっきらぼうにあたしに言ってそのままエレベーターに向かう。



「なんかこれじゃあエレベーターに乗りにくいな」



と思い、後からにしようと後ろに1歩下がる。



「わっと」



後ろにも人がいたみたいで今度は転びそうになってしまう。



「大丈夫ですか？」



転びそうになったところを後ろにいた人に支えられて、その声にハッと思わず振り向く。



「え？瑛梨奈？」



声の主はやっぱりワカだったから。



「なんでこんな所に？」



ワカはすごいビックリしたみたいで戸惑いを隠せない表情をしている。



「仕事の…「若松くん誰と話してるんだろー？」



言いかけたとこでそんな声が聞こえてきて、ワカに支えてもらっていた手を放してワカから離れる。



「すいません。助けてもらってありがとうございました！」



他人行儀にそう伝え、ペコっと頭を下げる。

< 515 / 533 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop