【完】蜂蜜色のヒーロー。
「ちょっと待てよ。その態度はねーんじゃねーの?」
金髪が私の手を取って引き留めると、御津くんから盛大な溜め息が聞こえた。たぶん、面倒って思ってる。
せっかくの誕生日なのに、こんな最悪な始まり方になって……ほんと、ごめん。
いたたまれなくなって、私が再度俯くと、御津くんがくるりと振り返りながら、自分の後ろへ私を追いやった。
「御津路惟って名前、聞いたことあったりしないの」
「……は?」
「お前らの想像どおり、俺がその御津だけど。それでもいいなら、相手になる」
「……?」
自分のフルネームを出した御津くんに、あからさまにタチの悪い3人の顔が青ざめていって。
こいつがあの御津くんかよ、とか。
金髪だって聞いてたけど、ちげえじゃん、とか。
よく見たら、こいつの目、やばくね? とか。
言いたい放題言いまくる3人に、私は首を傾げるしかなくて。