【完】蜂蜜色のヒーロー。
『ねえ、御津くん。この映画、気にならない?』
『……ならない。俺、恋愛もの好きじゃねぇ』
『ええー、やっぱり男の子はみんなそうなのかなぁ』
『あ、ひまちゃん! なんなら、俺とそれ行く? 俺も観たかったんだよね』
いつか、4人でお昼を過ごしたとき、なんらかのきっかけで映画の話になって。
御津くんと葵は、迫力のあるものがいい派だったけど、私と生真くんは恋愛ものが好きだってことに気づいた。
『……ありえねーし。興味なくても、俺が妃莉と行く』
『え、すぐ寝るじゃん』
『お前だけはだめ』
男ふたりの言い争いになっちゃったけど、そんな話をしたことがあった。