冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~
なぜ、どうして、そんなことを・・・

メイドたちに促されるままに、寝室とひと続きになっている隣の更衣室(ドレッシング・ルーム)に入った。

用意されていたのは、淡い色のサテンのドレスだった。白の繊維にわずかに紫の糸をまぜたような色合いが、自分の瞳によく映えるだろうと想像がつく。
バラ色の長いサッシュ以外、装飾のないシンプルなデザインだ。

レースのパンタレットにコルセット、それにふくらみをもたせたリンネルのペティコートの上から、ドレスを身に着ける。

襟ぐりはデコルテから肩の中ほどまで大きくとられ、袖はレースでいくらかふくらみをもたせただけだ。
サイズは誂えたように、自分にぴったりだった。
いや、ようにではない。これは自分のために誂えられたものだと、まさしく肌で感じる。それも一流の仕立て屋の手で。
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