お見合い相手は冷血上司!?
「何だ。お前か」

 陽に照らされた端正な横顔がゆっくりとこちらを向いて、薄笑みを浮かべる。

 どうして私は、こんなにタイミングが悪いのか。

「お疲れ様です。……課長」

 会社では見ることがなかったその柔らかな表情に、ドキリと胸が高鳴る。
 散々桃と話した後では、気まずくて顔を合わせづらかった。
 「お疲れ」と返す彼の手にはエナジードリンクの缶が握られており、彼はそれをぐいっと一気に飲み干すと、缶をゴミ箱に押し込む。

 コーヒー以外を飲んでいるところ、初めて見た。

「お昼、食べましたか?」

「いや、今日はもういい」

「えっ……まさか、今のドリンクがお昼の代わりですか?」

 ついいつもより声が大きくなってしまい、課長はグッと喉を詰まらせたように唇を結ぶ。
 あれ、よく見ると……課長、頬が赤い?
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