お見合い相手は冷血上司!?
「だからワンサイズ小さめじゃなくて、ちゃんと採寸してもらったやつにしなさいって言ったでしょ? 平田くんが待ってるから。ほら、行くよ」

 項垂れた桃を起こすと、ふと視界に映る懐かしい景色に、私は思わず笑みを零す。
 すると深呼吸をする彼女は、少し青い顔で私を見上げた。

「一年ぶりにあったのに、全然優しくない!」

「結婚式のためにこっちに帰ってきたんだから、十分優しいでしょ! ほら、行くよ。お祝いムービー渾身の出来なんだから、酸素吸ってちゃんと見ててよね」

 ドレスを持ち、美しい花嫁の手を取り歩く。
 すれ違いざまにキラキラと光り輝く高級そうな花瓶や芸術品が、言うに言われぬ懐かしさを感じさせた。
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