お見合い相手は冷血上司!?
答えなんて、一つしかない。
「……よろしく、お願いします」
涙ながらに返すと、彼は私を慈しむように微笑んだ。
左手に、冷たい指輪が通っていく。
薬指で光るそれを見つめた彼は嬉しそうに顔を歪めると、私を抱き上げた。
「わっ! ちょっ、ちょっと課長!」
彼の頭にしがみつくと、その温かさと、爽やかな香りが、心地良く胸に染みる。
「シュネービッチェン」
彼は、小さな声で呟いた。
「この花の別名だ。日本語にすると、――『白雪姫』というらしい」
白雪姫……?
ここで彼にキスをされて、止まっていた時を動かしてもらって。
それは私と課長のようで、なんだかくすぐったい。
それに、アイスバーグは……。
「おい、何を笑ってる?」
訝しげな視線を向ける課長は、私を見上げた。
「だって、氷山と白雪姫なんて。笑っちゃいますね! まるで私たちが二人で一つになった花みたい」
花束から一本、それを手に取ると、控えめなティーローズの香りが鼻腔を擽る。
「お前……あまりそういうことを言うな」
突然無表情になった課長は、私を地面へと下ろした。
「どうして怒るんですか?」
「うるさい。今は寄るな」
ここからここへ来るまでに、とても色々なことがあったけれど。
課長となら、何があっても平気だと思えた。
――アイスバーグの香りに包まれて、私たちはまたここで、始まりのキスをする。
fin.
「……よろしく、お願いします」
涙ながらに返すと、彼は私を慈しむように微笑んだ。
左手に、冷たい指輪が通っていく。
薬指で光るそれを見つめた彼は嬉しそうに顔を歪めると、私を抱き上げた。
「わっ! ちょっ、ちょっと課長!」
彼の頭にしがみつくと、その温かさと、爽やかな香りが、心地良く胸に染みる。
「シュネービッチェン」
彼は、小さな声で呟いた。
「この花の別名だ。日本語にすると、――『白雪姫』というらしい」
白雪姫……?
ここで彼にキスをされて、止まっていた時を動かしてもらって。
それは私と課長のようで、なんだかくすぐったい。
それに、アイスバーグは……。
「おい、何を笑ってる?」
訝しげな視線を向ける課長は、私を見上げた。
「だって、氷山と白雪姫なんて。笑っちゃいますね! まるで私たちが二人で一つになった花みたい」
花束から一本、それを手に取ると、控えめなティーローズの香りが鼻腔を擽る。
「お前……あまりそういうことを言うな」
突然無表情になった課長は、私を地面へと下ろした。
「どうして怒るんですか?」
「うるさい。今は寄るな」
ここからここへ来るまでに、とても色々なことがあったけれど。
課長となら、何があっても平気だと思えた。
――アイスバーグの香りに包まれて、私たちはまたここで、始まりのキスをする。
fin.


