お見合い相手は冷血上司!?
「おい、鈴原」

「は、はい!」

 課長のことを考えていたので、驚いて声が上ずってしまった。彼が言葉を発すれば、一度緩みかけたオフィスの空気も途端に再び張り詰める。

 慌てて彼のところへ行くと、私の見上げる彼の視線は先ほどよりも冷たくなっていた。

 あれ、課長……何か怒ってる?

「これ、明日までにまとめて使えるようにして来い」

 無表情で手渡されたのは、思わず腰が沈む程のどっしりと厚みのあるファイル。

「明日、ですか?」

 ペラペラとファイルを捲ると、乱雑にファイリングされた資料を読めるように整理するだけでも数時間は掛かりそうだ。

 あと三十分で定時の五時を迎えようとしているのに、これを明日までなんて鬼にも程がある!
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