お見合い相手は冷血上司!?
「何だ鈴原、出来ないのか?」

 徐に細められた瞳が、真っ直ぐに私を捉えた。挑戦的とも取れる視線に、思わず唇を噛み締める。

 急ぎだから頼むな、と言われればこちらのモチベーションも上がるというのに、この人は本当に意地が悪い。

「いえ、出来ます! 明日までですね。必ず間に合わせます」

 みんなの哀れむような視線をかき分けて、いつもより歩幅大きく自身のデスクへと戻る。

 早速百科事典のようなファイルを広げると、つい漏れ出てしまいそうになるため息をぐっと飲み込み、軽く頬を叩いて気合を注入した。

 たとえ朝まで掛かっても必ずやり遂げて、明日涼しい顔して出社してくるあの冷血人間に朝一番で突き出してやるんだから!

 それに今はまだ……忙しい方がいいかもしれない。
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