浅葱色の記憶
弱気
永倉さんと仲良くなればなるほど

胸の奥がチクリと痛む



「はぁ~」


「まぁーゆ!どうしたの?」



盛大なため息を聞かれてしまった



「宗次郎… 私がいなくなったらさ…
永倉さん、すごくさみしがるよね?」

ガシッと両肩を掴まれ
ぐらぐらと揺らされる


「いなくなったらなんて!!
そんなこと、言わないでよ!!
真結!なんで、そんなこと言うのさ!!」


「……永倉さん
眠りが浅いみたいで、理由聞いたんだ
知ってる?」


「いえ」


「私の記憶がなくなった日
私が透けて見えたんだって…」


「それって……」


「消えるかもしれないって
心配で、夜に何度も確認してる
もしも、私が消えたらさ
未来に戻ったらさ
永倉さん…泣いちゃうかな?」


「私だって、泣きますよ
いやですよ!? ずっと、ここにいてよ」


「ありがとう
ここに、いていいのかな…」


「真結!いいに決まってるよ!」


「宗次郎… また、くよくよしたら
話聞いてくれる?」


「もちろんです!」




悩んでも仕方ない!








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