浅葱色の記憶
「そうか、お前か…確かに
俺に嫉妬の目を向けていたのは
土方とお前だったな」


「こんなこと……
言ったらヘンだと思うかも知れねえけど
もし、思い出して
そしたら、サクタ…
消えたりしないよな?」


「さあな
そんなことは、わからんが… 
このままだと、消えるんじゃねえの?
何も話せないまま
それでいいのか?
アイツは、新選組の皆と昔話したかった
やっと、思い出ができたのにって
言ってたぞ」



「思い出そうよ!永倉君!!」


「そうですね!思い出しましょう!永倉君」



皆が、永倉君を励ます



「こちらも、アイツの心境を探る
また、明日ここに来る
少しでいい、何か思い出しておけ」





立ち上がった桂に



「桂!! ありがとう
サクタのこと、よろしく頼む
あ!でも!手をだすなよ!!」


「泣かれるのわかってて
手を出すほど間抜けじゃねえよ
アイツには、幸せになって貰いたい
さっきみたいな情けねぇ面、見せるなよ
アイツは、笑っている方が良い」



ふっと笑った顔が、寂しそうだった


どんなにサクタ君を想っても
桂のものにはならない



桂は、それをわかっていて

ここにいる






「桂 私もそう思う!
サクタ君の笑顔は、宝だと思っている!」




「近藤 前にも思ったが
お前のような男が、敵という立場なのが
惜しい
アイツがいなければ、こうして話す機会も
なかっただろうな」










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