浅葱色の記憶
元通りの日常に戻った



初めてここに来た

あの日のように

壁から視線を空へ



あの時と違い、心まですっかり晴れている




チリンチリン




あれ? この音



「あ!桂さん!!」


「元気そうだな」


「はい!実は明日、祝言なんです!
桂さんも来てくれます?」


「アホか」


「やっぱりダメですよね」


「真結」


「なに?」


「幸せにな」


「はい!!!」



桂さんは、満足したように
笑みを浮かべ、去って行った


「捕まえろよ」


「あ」



そうでした



巡察後、解散した永倉さんに出会す


「全く!真結は、誰とでも仲良くなって!
妬かせんなよ!」


「あら?妬いてくれてたの?」



耳まで赤くなって、そっぽ向く
永倉さんの左手に自分の手を重ねた


「未来では、仲良しの夫婦は必ず
手を繋いで歩くんですよ!」


「必ず?」


「うん!必ず!」







ちょっと大袈裟なことを言って

永倉さんと手を繋いで歩く










< 170 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop