浅葱色の記憶
2日後







「やっと、起きたか」

「ひっ」

「なんだよ」


鬼かと思った……



「おはようございます」

「んあっ 真結!ううっダリぃ
体が… バキバキする」

「2日も寝てりゃな」




それから…




皆が集まった頃には、永倉さんの
恐ろしい質問攻撃が始まった



「真結!なんなんだあの部屋は!
しろしろしろしろしろ!
なんで、あんなに白いんだよ!!」


「病を治す、今で言う療養所?かな
なんでか、白いのよ」


「どくたあってなんだ」


「医者を異国の言葉でそう言うの」


「あの部屋、すげえ高いとこで
外の景色は、たぁーくさん箱があって
布で隠してた!」


「布… カーテンかな?」


「それに、高床式の布団に寝た真結は
人形みたいに動かなかった!」


「ぷっ」


ベッドを永倉さんに言わせるとそうなるか


「色々聞いてたでしょ!?
私に繋げられたアレが私を生かしてる」


「アレで…?」


「息が苦しい時に、永倉さんがしてくれてたでしょ!?アレ、人工呼吸っていって
それを機械…んー機械でいいや
アレがしてくれてる」


「じゃあ あの真結は、自分で息が出来ないってことか!?」


「死にかけてるからね」


「両親のせいか?」


「……違う
私が… 自分で死のうとした
ここに戻りたくて…」


「真結… また会えたからよかったけど
人形みたいな真結は、見てて辛かった」


「ごめんなさい」




「2人とも、おかえり」




「「ただいま」」







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