私たちの、歪な関係
カタンッ
ゲームに集中していると、玄関がある1階から物音がした。
ガチャッ……
あ……
お父さん帰ってきた。
……どうして最近帰ってくるんだろう?
「ん?誰か帰ってきた?」
流石に今回は隼も気がついたのかゲームを止めた。
「しっ」
私は指を口元に当てそう言うと立ち上がってドアの近くに立った。
「……優衣?」
隼がわけがわからない、と言った風に立ち上がって私の傍に寄る。
靴……バレてるかな。
行かなきゃまた呼ばれるかな?
「隼、ちょっとまってて」
私はしぶしぶ行こうとドアノブを掴む。
「え、俺も行くよ?
お邪魔してるわけだし」
だけど隼はそう言って行く気満々だ。
だけど、だめ。
お父さんだけには会わせたくない。
なんて言われるかわからない。
「大丈夫、大丈夫だからまってて」
私はそう笑って言うと隼を置いて素早く部屋を出た。
ごめん、隼……