私たちの、歪な関係




ーーー


「いやぁ、本当に助かった!
ありがとうございましたっ!!」


明日から夏休み。

そんな今日は終業式。


「お母さんにも怒られないですんだよ」

花音が嬉しそうに話すを、私も嬉しく思う。


朝2人で登校するのも約1ヶ月間はなくなる。

「それはよかった」


花音も駿くんも、無事夏休み中の補習は免れた。


明日から休みか……


何をしようか。


「花音、夏休み中何する?」

「もちろん、海でしょ、お祭りでしょ、プールでしょ、花火でしょ……って言いたいところなんだけど…」


笑顔だった花音の顔から笑顔が消える。


「?」


「実は私、県外の大学目指してるんだよね。
だから勉強漬けかなぁ、塾にも通うことになってるの」


不思議に思って花音をみると、まさかそんな返事が帰ってくるとは思っていなくて驚く。

「塾?バイトは?」

「もちろん両方。今年は遊べそうにない…」

「そっかぁ」

花音、県外か……それに塾やバイトも……


大変だなぁ

花音とずっと一緒にいたけど、こんな将来の話をするのは思うと初めてかもしれない。


「優衣は?どうするの?進路」

「私は……」


どうするんだろう……


「一応、進学はするかなぁ、……」


なんとなく、決まっている事を言っておいた。


進学を考えて、学校とかも見てるけどいまいちピンとこないんだ。


「そっかそっか、まぁ優衣ならどんな大学でも楽勝だよ!」

「あはは、ありがと」


私はカラ元気でここをやり過ごすと話をそらして学校へ向かった。






< 147 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop